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法歯学

人体を構成する全ての物質の中で、死後最も長く残るのは歯です。故に歯は身元確認の理想的な手段となります。 特に焼死体の身元を確認する際は、歯が唯一の手段となることが多いです。
全く同じ歯並びを持っている人は二人といないといわれます。生まれてからずっと変化しない指紋と違って、 歯列が独特のものとなるのは、使用されすり減るからです。歯による身元確認には生前、死後両方の記録が必要となります。 データがそろえば一本の歯からでも身元確認できることが多いです。 普通人は定期的に歯医者に行き、充填、抜歯、ブリッジ、義歯、変形などが記録されます。
歯にはもう一つ法医学的機能があります。歯は一日に4μm生長し線紋となって残るため、 年齢を20日程度の誤差で推定することができます。第3臼歯や親知らずは10代後半か20代前半にならないと生えてきません。 しかし年齢が上がるにつれ誤差も大きくなります。 成人の死体だった場合、3歳半よりも精密に推定することは難しいとされています。
噛み痕を分析する方法もあります。噛み痕も一人一人違います。(一卵性双生児でさえ異なっている。) 法医学上噛み痕は2つに分類されます。
1.暴行事件などで一人以上の関係者の皮膚が破られている。噛み痕の価値は容疑者を確認、もしくは排除することにある。
2.食物の噛み痕。チーズ、チョコレート、果物など。これはある人物が特定の犯罪現場にいたことを証明する。
この2つのうち人間に残された噛み痕は問題があります。時間と供に変化する為、時間を明らかにして写真を撮り、 恒久的な記録として保存されます。(噛まれた後数ヶ月経っても、紫外線ライトで噛み痕が明らかになる。) 歯が皮膚の内部まで侵入していない場合は、 表面に浮かび上がるまでに4時間ほどかかることがあるがその後36時間ははっきり見えます。 死んだ被害者では痣が見えるようになるまで12~24時間かかります。 噛んだ跡が深ければシリコンラバーで型をとることもできます。型をとってしまえば普通のやり方で照合確認ができます。